【英国名門校の流儀(一流人材の育成)】を読んで文化の違いに触れる。

こんにちは!海外の教育事情はどうなのか。。

表題の通り、「英国名門校の流儀~一流の人材をどう育てるか~」を読んでみました。

英国名門校というと、高貴で洗練されたイメージがあり、ちょっとおしゃれなイメージがありますよね。

この本は筆者が実際に教員として指導していた英国名門校(パブリックスクール ハーロウ校)での体験を本人の意見と共に記録した内容となっています。

 

ちょっと、筆者の英国ひいきがある気がするのですが、、日本との違いを知ることのできる興味深い本です。(私が読んだ中で一番印象的だったのは、受験制度の違いと学費の高さでした・・)

気になったところをかいつまんで、書き留めておこうと思います。

 

 

◎日本の中高一貫校のような感じ?

 

本書は筆者の赴任していた、パブリック・スクールの「ハーロウ校」をもとにして書かれております。

同校は日本と教育構造や文化が異なるので、単純に比較はできないのですが・・まあ、ざっくり簡単に言えば、日本の寮がついた私立中高一貫校のような感じです。ただ、全寮制で常に集団行動が求められ、規律正しく生活することを強いられます。服装や時間管理はもちろん、成績による差別化が明確です。例えば、優秀な成績や賞を受賞すると通常の制服とは異なるカラーのネクタイやベストを身につけられたり。。

今のプライバシーに関する世の中とは逆行している側面もあるのですが、生徒間の差をつけることで競争力や憧れによる、やる気を掻き立てているようです。ただ、同校では、お互いにいがみ合い、蹴落としあうような競争ではなく、尊敬をもってお互い伸ばしあうとのことが強調されています。

 

  

◎受験は長くて3年

 

また、同校は5年制の学校で卒業は18歳の年。受験は日本と異なり、長くて3年間もかかるとのこと。生徒が長期にわたり、その資質を問われているような感じですね。

日本では受験勉強といっても、本格的に準備するのは1年間でしょうか。都道府県によっては、公立の場合3年間の内申点を評価するところもあるので、それを含めたら、一概には言えませんが。。

日本でも長期に渡り生徒を評価する傾向として、内申点があります。学業だけなら、付け焼き刃できてしまう生徒もいるので、生活態度などを総合的に評価するには必要不可欠です。

ただ、直前の1年間で詰め込めば、できる子はどの学校にも入れてしまうことがあるのも確か。

 

 

◎社会のマナーを学校で学ぶ

 

簡単に言うと、日本の学校より社会とのつながりが多く、これから社会に出ていく上で必要な常識やマナーをここで叩き込まれています。

学校外の専門知識を持った方を招いて、講義を受けたり、部活のコーチングを受けるなど、積極的に学校外の力を借りています。そして、ハウスごとに行われるパーティーや学校主催の競技大会など、つど校外の方と接触するチャンスがあります。

学校で学んだことを、幾多あるパーティーなどで実際に実践することで、社会に出る前にしっかりマナーを身に着けています。

 

恐らく、こういう社交的な集まりが好きでない生徒には苦痛かもしれませんが、このようにして、社会の常識を身に着けていくのかと思います。

日本の女子高ではこのようなマナー授業があった気がしますが、殆どの学校ではしないかと。個々の家庭にこのようなマナー教育は任されているのかと思います。

 

それゆえ、就職してから、いろいろと苦労するんですね。ふるまいを見れば、育ちがすぐわかってしまいますからね・・

 

 

 

◎お金がかなりかかる・・

 

物価の違いもあるのですが、イギリスのポンドは高い!

現在はおおよそ1ポンドで130円くらいですが、嘗ては200円くらいしている時がありました。よく、イギリスからの旅行者が日本の物価が安いという理由もここにあるようですね。

そんななか、このパブリックスクールの1年間にかかる費用は1ポンド150円換算で600万円。(寮費込)

 

5年で3千万円也

 

寮には入らず通学した場合、もう少し安くなります。

なんと、180~360万円とのこと。だいたい200万円くらいとして、

 

5年で1千万円

 

どちらにせよ、日本の私立医学部でかかる並みの学費ですね。

*これは、同書の著者が勤務していた学校についてです。。

 

それだけの費用対効果があるのかどうか。。私の感覚でいうなれば、こんなに費用がかかるなら、世界で活躍する一流プレーヤーにでもなってもらわないと・・というところでしょうか。

 

ただ、世界で活躍するビジネスマンが通っていた結果・実績はあります。これを考えれば、将来大きく羽ばたくには、このような教育環境が必要なのかもしれません。もちろん、このような教育が無くても、十分世界に通用する能力を持った社会人はたくさんいますが。。

この費用を賭ける意味は十分あるかもしれませんね。

ただ、通えるのは、裕福層のみかと。

 

 

◎ハリーポッターの世界観(参考まで・・)

 

ちょっと恥ずかしいのですが、読んでいると、なぜか、ハリーポッターのイメージしか浮かんできませんでした。。(;・∀・) 

全寮制で服装は毎回制服。常にネクタイ、上着を着ていなければいけないそうです。

ハウスと呼ばれる寮に分かれており、その寮ごとにカラーやルールがあるようで・・ ハウスごとの対抗試合もあるとのこと。 

 

今まで、ハリーポッターの魔法学校が特別な学校かと思っていたのですが、英国民からしたら、「なーんだ、パブリックスクールと一緒じゃん。。」ということかもしれませんね。。

私は日本の学校を卒業しているので、全く知らず。。

ちゃんとモデルがあったのか・・ 

私は作者が独創的な世界観を作ったと思っていたことに少し恥ずかしく思えてきました。。

 

 

 

 さいごに

 

今回は私の気になったところを抜粋して、書き留めていきました。人によって気になる箇所は異なるので、ぜひ、一度この「英国名門校の流儀」という本を読んでみてはと思います。教育に対する見方が少し変わるかもしれません。

英国名門校の流儀 一流の人材をどう育てるか 松原直美/著

もしかしたら、自分の子供も英国のパブリックスクールへへ入れてみたいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

ただ、日本の教育も個人的には頑張っているとおもいます。費用対効果のことを書きましたが、パブリックスクールにそれだ費用をかけるなら、日本のトップレベルの学校を自分好みで探して、教育してもらうことにかけてもいいのかなと思いました。例えば、海陽中等教育学校など・・ その他寮がついた学校はいろいろありますし。

この本は少し著者の偏見も混ざっていて、「日本の教育をどれほど知っているのか・・」と思うような一面も出てきますが、英国のパブリックスクールの感じを知っておく分には、とても良い本だと思います。 

 

 

 

 

 

ちょっと最後は愚痴っぽかったですが、

そでは、この辺で。。 ( ..)φメモメモ