(2022年6月に更新)
年代と共に変化していくのが学校です。さて、過去に訪問した学校との違いを簡単にまとめておきます。あとは、以前の案内をご参照頂ければ。
①土曜授業の開校
学力向上に力を入れ始めました。こうなると、鬼に金棒です。恐らく、以前は専門的なことしか学べない、学ばなくなってしまうのではないかとの懸念があったかもしれません。ここへきて、学力も伸ばせる。一般試験の大学対策もできることがわかると、将来に対する保護者の不安にある一定の安心感ももたらすのではないでしょうか?
② 倍率の急上昇。
1倍を優に超えています。今年度以降も上がる可能性が大いにあります。要チェック。
③ 校長先生の異動
新たな校長が赴任しました。さて、どう変わるのか?私立ほどに権限はないような気もするので、あまり変わらない気もするのですが、もっと勢いのある学校になってほしいと願っています。
説明会では、校長に限らず、少し以前ほどの活気が感じられませんでした。どうなることか。
気になる点としては、女子の比率が大きい点。パンフレットの部活紹介さえ、女子オンリー・・女子の比率が多いので、致し方ないのかもしれませんが、これじゃあ、女子に来て欲しいとしか見えないです・・ 僕には違和感しかない。
(2021年6月以前の記事↓)
こんにちは! 今回は都立高校で単位制を採用している晴海総合高校へ行って参りました。将来を見据え、よく考えられた先進的な学校です。個人的には大絶賛です。今までいくつもの学校に訪問してきましたが、はじめにおススメしたい学校かもしれません。。
ただ、残念なところもあります。
それは、宝の持ち腐れ・・その本領を十分に発揮できずにいる気がします。高価な武器をいくつも持っているのに使わない感じです。。 あーあ。。もったいない・・
使いこなせるのは、あなたかもしれませんね!
恐らく、学校運営の問題かもしれません。なぜ、晴海総合が建てられたのか。その意味を汲み、熱意をもって、広く広く発信していく必要があります。
建学のその意図を理解してくれる生徒や保護者は必ず多くいるはずです。
校長が変わったとのことで、これからに期待していきたいところ。がんばってほしい!
(若造が偉そう分かったような事言うな!と言われそうですが、すいません・・)
とりあえず、学校情報メモから!
もくじ
1、学校情報メモ
生徒数 | およそ800名(女子の生徒数が多く男女比およそ1:3ほど) |
立地 | 東京都中央区晴海1-2-1 月島駅10番出口(大江戸線)、3番出口(有楽町線)から徒歩8分ほど。(個人的には出口から5分もかからない感じでした。) バス(晴海一丁目下車)も利用可能。 |
合格偏差値 | およそ47(実質入学者42~60まで幅がある模様) |
学費 | 初年度合計 男子・女子 約34万円 (うち制服・体操着などが6万円ほど) |
大学進学 実績(2022年卒業) | 大学・短大 およそ70% 早稲田1名、その他GMARCH合格者が増えてきています。美術大学への進学もめまぐるしく、学校政策が当たり始めてきているのではないでしょうか?? ほか、海外にもちらほら。精華大、サンフランシスコ 専門学校 15% 就職/公務員 それぞれ、およそ5% その他(留学、浪人など)10% |
指定校推薦枠 | 東京理科大、上智大、中央大、法政大、日大、成蹊大など MARCH,日東駒専レベルが多い。 |
その他 | ・ とにかく、設備が充実している。お茶室から焼き窯まで・・その他、【3】で写真を添付してあるので、ご参考までに。 ・女子サッカー部、放送部が全国レベル。女子剣道部も強く、関東大会出場レベル。 ・2021年から4つの推進校・指定校となる。教育委員会からの総合高校としての強い期待を背負っている。予算も潤沢に付くようなので、今後に期待大。 ・土曜授業を実施(隔週20回) |
HP | 都立晴海総合高校 |
2、入試情報
・推薦試験
9科オール4あれば合格の可能性はかなり高いと思います。
集団討論、個人面接と作文を行い、調査書と総合評価して決める。2020年の倍率は2倍ほど。
このほか、スポーツ推薦(サッカー、剣道、吹奏楽)があるが、ならすと、同様に倍率2倍程度。
・一般試験
(2020年入試)
内申点にもよるが、およそ、5科目で各々65点以上をクリアできれば、合格にぐっと近づく。(受験案内2021参考)
ただし、いかんせん倍率が低い。
今年の試験はおよそ1.0倍。つまり、生徒は全入しているということ。だから、「学校情報メモ」で載せた実際の偏差値にも幅が大きく出てしまっている。
要は、ねらい目ということです。。 (戦わずして勝つというやつです。)
(2021年入試)
私のブログ宣伝のおかげでしょうか(冗談です)。勝手にやってるだけなのですが・・
倍率が1.15倍になりました。
せっかく、ねらい目学校だったのですが、これからはそうもいかなくなってくるかもしれません・・
教育委員会からも目をかけられ、これから総合学校として、本領を発揮してくるのではないでしょうか。そもそも、過小評価されすぎていたのではないかと思います。もっと対外的にアピールしてもらえれば、さらに偏差値も倍率も上がっていくでしょう。
3、充実した学校の設備
もう、思いつく限り、全部あるような気がします。
これは、都立にしては珍しいのではないでしょうか?
2年時から単位制により、選択科目になります。選択科目は6つの領域に分かれている為、その分幅広く授業があります。
例えば、国際ビジネス、言語、芸術文化など。
そのため、それぞれに教室が用意されています。
えっ って思う方は、一度学校見学に行ってみてください!
そんじょそこらの私立に引けを取らないどころか、上回っています。それだ、都税が投入されているんでけど。(もっと、アピールしてほしいです。)
むしろ、この恩恵を享受できないあるいは、しようとしない受験生がいるのはもったいない。。よく見てください。ここのカリキュラムと設備はしっかり考えられてます。レベルが適当なら、受けてみても良いと思います。
(※晴海高校の回し者ではありません。とある塾の教室長です。)



※まだまだ、あるのですが、この辺にしておきます。とても立派な設備・施設がありました。教室数も有り余っているようです・・。
4、カリキュラムが良く考えられている
一度社会人を経験した私から言わせてもらうと、「これ必要だよな・・」、「こういうのやりたかった・・」っていう要素が沢山詰まっています。
将来を見据えた作りになっているんです。保護者様も見ればすぐにわかるはずです。簡単に説明しますと、、
◎1年次
必修科目(今後使うかもしれないので、最低限学んでおいた方がいいよ!っていう科目)がメイン。これは、他校とおなじと考えていいと思います。
◎2年、3年時
ここからが少し特殊です。
・必修科目(〃)
・自由選択科目(座学メインの普通科でもよくある科目です。)

・系列選択科目(仕事や大学進学に役立つ)
「情報システム」、「国際ビジネス」、「言語コミュニケーション」、「芸術・文化」、「自然科学」、「社会・経済」と別れており、好きな科目を選択できます。高校生から学べるのは大変貴重で、きっかけとしては十分です。

ちなみに、課題研究は2年時から始まるようです。
こんなに授業があるのか。。と驚きますよね。
2年時からは各々が主体的に自分のやりたいことを選択して、授業を決めます。その為、クラスといっても、ホームルームが一緒なだけで、あとはバラバラといった感じの様です。
やり方によっては楽に卒業も出来てしまうかもしれませんが、やり方によっては可能性を限りなく伸ばせますし、新たなことに挑戦すれば、新たな世界が見えてくるかもしれません。
結局は生徒次第ということです。
ただ、ここで重要だと思うのが、将来、自立して社会生活を送るにあたっても、この主体的に選択するというのが非常に重要です。何をするにしても、自分で考え動かなければ、得られるものはないんです。
まだ、保護者や先生の監視・指導がある中で、この主体的に動く経験は貴重だと思っています。
大学に入って、就職してから主体性うんぬん考えても・・ その時には、注意・指導してくれる人はほとんどいませんから。。(いや、全くいないと思った方がいいかもしれません。)
5,4つの推薦校と指定校に指名
おやおや・・
こんなにいきなり背負って大丈夫なのですか‥
といいたいところなのです。
20201年から①理数教育重点校、②進学指導研究校、③海外学校間交流推進校、④防災教育研究指定校に認定されたようです。
そもそも、全て受けていてもおかしくない学校です。段階的にやればいいものの、お上の方は、「あっ やるの忘れてた・・」と言わんばかりにあれもこれも乗せてきた感じですね。
私は、こんなに一度にさせるのには反対です。 総合高校はなんでもできる感があるのですが、だからと言ってあれもこれもとなると、収集がつかなくなります。
校長先生の手腕がかなり問われてくるのではないかと思います。
本末転倒にならないことを祈ります。
そもそも、総合高校はなんでもできるような感じがあるからこそ、生徒は普通科と比較したときに引け目を感じるのではないでしょうか。
ある程度、なにをしていくのか明確な道筋を示していかないと何ができるのか分からなくなります。
恐らく、直近は倍率や偏差値は少し上がるのかもしれませんが、長くは続かないでしょう。
結局、生徒を呼ぶのは生徒です。
学校の政策や方向性に共感した保護者が入れたがるのは分かりますが、行くのは生徒本人です。
何ができるのか、なにがしたいのか分からないままずるずると時が過ぎるよりか、ある程度道筋を建ててくれる、メンターのような、プランナーを充実させるべきです。
それが回りまわって、実績となり、評判となり、数年後の発展につながるのではないでしょうか。
ちなみに、
①理数教育重点校:大学教授等の支援の下、理数にかかる探求活動があるとのこと。フィールドワークや海外研修も計画しているというから驚き。
②進学指導研究校:まあいうなれば、大学合格実績を上げるためにどうしたらいいか考えていきましょうということです。同校では具体的に「特進クラブ」(参加は任意)でGMARCH以上を目指す任意の生徒に学習指導をするクラブを立ち上げたようです。
③海外学校間交流推進校:海外との交流を通し、グローバル化に対応できる生徒の育成を目指します。実際、台湾の高校とオンラインで交流があるとのこと。今年はメキシコ大使館やニュージーランドとの交流を検討とのこと。
④防災教育研究指定校:場所が場所だけに、あってしかるべきですね。災害時に行動できるよう、様々な団体とコラボして災害対策を考えていきます。例えば、中央区防災課と連携し避難所設営体験を計画したり、協定を結ぶ企業や高齢者施設と合同の避難訓練を実施したりします。
6、デメリットと反論
ただ、中には将来の進路について、ここで具体的に決めてしまっていいのか?
と思われる保護者も多いのではないかと思います。
確かに、高校では普通科のように、基礎的な授業をまんべんなくやらせ、ある程度の学力を広く身に着けてほしい。大学受験までしっかり勉強を頑張ってほしいと考えるのは分かります。
それから、将来を考えてもいいのかと。それは、将来、手に職をつけるにも、学んだ内容が広い方が、方向転換しやすいですから。
単位制だと、好きな科目に偏ってしまうので、潰しが利かなくなる可能性は無きにしも非ずです。
そこに関しては、保護者が子を想い、そう考えるのは当たり前のことだと思います。
ただ、一つ反論するのであれば、、、
時代は変わってきています。
今や、広く浅く学んだところで、いずれ、替えが利く仕事は無くなっていく可能性が高いです。それは、何かというと、専門性をもっと高い次元で身に着けておかなくてはならなくなることです。
つまり、個々のオリジナリティが必要になってきます。誰でもできる仕事はきっと機械に置き換わる。
主体性と創造性を培うには、ある分野を高校や中学の段階からある程度、的を絞って学習を進めて行かないと大学に行ったところで、遅いかもしれません。
就活前にちょろっと選んでできる職業ほど、そんな職業はオリジナリティの少ない誰でも可能な仕事になりえると思います。
そうではなく、自分しかできない、世の中に数人しかいない自分の専門を見つける。その為には、早い段階からの目的意識が必要。
と、、考えるなら、
総合高校はこれから結構重要なポジションを担うような気がします。
さいごに
恐らく晴海総合はかつての先人の方々が、この先必要となる人材や教育の在り方を考え、見込んで、建てられた学校だと、もしくは、そう変わってきた学校だと思います。総合学校はそもそもチャレンジ的で税金でなければ、怖くて運営もできない中、建てられてるんです。きっと。。(推測です。) (あれだけの科目を用意して、採算が合うとは思えないんです・・)
税金を使っている以上、何らかの成果を出してほしいとは思うのですが。
その為に、学校運営としては更に先進的な取り組みと、生徒の主体性を活用した取り組みをもっと対外的に発信してほしいと思っています。
例えば、生徒自らブログやツイッター、ライブ配信もいいでしょう。もしくは、月島が近いから、学生が運営するお好み焼き屋を創って経営を学ばせたり。高齢者が多ければ、ふれいあコミュニティをつくってみたりとか・・ 考えればいくらでも・・
後は、それを見える形で発信する必要があります。必ず、同校が先を見据えた素晴らしい学校だということがわかるはずです。
これからの取り組みに、期待です。可能性は秘めているので、あとは生徒・保護者がどう思われるか。
という心の声でした。
今日はこの辺で、それでは~!(^^)/
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