IRT(Item Response Theory)を使った学力評価について。

こんにちは。最近は暑い日が続きますね・・いつになったらこの暑さは収まるのでしょうか・・

そんな中、夏期講習も終盤に差し掛かってきました。今年の夏は頑張れたと言える生徒が増えるように引き続き頑張っておるところです。

さて、皆さまIRTってご存知ですか?いきなり言われてもわからないと思います。私も半年前ぐらいに知ったのですが、少しづつ広まってきているようです。

IRTとは「Item Response Theory」の頭文字をとったもので、日本語では「項目応答理論」とよばれています。この考えはあのTOEIC、TOEFLテストや英検©にも使われているようです。

そういわれると、確かに、「英検©の採点基準ってどうなってんの・・」とか思ったりしていたのですが、どうやら個々人が簡単に自己採点できるようなものではないようです。。このIRTを基に問題を作成し採点をしているようなのです。

 

この理論が出始めた理由は既存の評価方法が疑問に満ち溢れたものになっているからです。

例えば、

「うちの子数学で50点しか取れなかったんです・・」と言って相談に来る保護者の方がいますが、その50点だけを取って悪いとは決め難いのです。

なぜなら、そもそもその学校の数学のレベルが高かったり、周囲の学力水準が高かったりすれば、その点数の意味するところは変わってくるからです。私立御三家中学の数学20点と都立中学の数学20点は意味が違いますし、同じ土俵で評価すること自体が間違っています。

また、偏差値にもそれは言えます。全体のレベルが高かったりすれば、偏差値は下がってしまいますが、低いところでは高く出たりもします。中学受験案内に「しゅともし」と「四谷大塚」の偏差値が併記されているのはそのためです。

余談ですが、私が大学受験するときも、河合模試なのか、駿台模試なのか、それとも代ゼミ模試なのかによって偏差値にばらつきがありました。これは出題する難易度もそうですが、受験者によっても変わってきます。

 

そこで、現れたのがIRTの手法です。

 

簡単に言えば、レベルごとの問題があってその問題を解ければそれ相応の結果を得られる。それは異なるテストであっても比較可能(能力特性が独立)であるし、異なる集団であっても比較(項目特性が独立)ができるようになります。

簡単な問題を何回も解けたって、得点は上がるけど、能力の比較にはならない。かといって比較するのに、同じ問題でもいけないので、同じレベルの問題を何種類か用意して、バラバラに出す様な感じ。

これによって、異なるテストでも得点が交換可能な評価をすることができるようになります。

ふと、英検の成績表に出てくる、「次の級まであと何点」みたいなのがよぎったのですが、それはこのためだったんですね。 生徒のレベルに応じた能力を図ることで、今英検の級のどの位置にいるのか評価できていたのです。

また、CBTテストが有効な理由も見えてきました。

 

ということで、ざっくりですが、IRTでした。

英検やTOEICの自己採点は無駄なのかもしれませんね・・

 

 

 

もっと詳しく知りたい方は、参考までに、↓

https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/2016admission.html

https://www.journal.ieice.org/conts/kaishi_wadainokiji/2009/2009121.pdf

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