こんにちは! いやー 暑い日が続きますね。。タロー塾長です。
最近の高校入試の変動には驚いてばかりです。高校生の授業料無償化にともない、受験動向が変わってきていますね。
私が中学生のころは公立高校が圧倒的に人気で、皆がまず目指すのは公立高校だったのですが。
今はどうやら違うようです。
要因は2点。私立高校実質無料化と大学受験の受験者数厳格化によるものだと思われます。この結果、都立ではなく、大学受験対応に期待する私立高校へ流れたようです。特に、大学付属高校はエスカレーターで行けることから、大学受験を心配する必要もなく、高い人気を維持もしくは、さらに高い人気を博すようになりました。そこで、現在の傾向と要因を細かく見ていこうと思います!
もくじ
1、私立高校実質無償化による影響
①都立高校から私立高校へ
今まで、都立高校でないと高校へは行かせられなかった世帯や極力費用を抑えて高校に行かせたい世帯は当然のことながら、都立を選んできました。しかし、無償化のサポートにより、私立も視野に入れることができるようになりました。私立高校実質無償化は世帯収入によって補助される金額は異なりますが、今までこのような補助が無かった時に比べれば、私立高校を選択肢しやすくなったと思います。私立高校を選んだとしても、世帯における負担は大分減ります。
例えば、年収が約760~590万円の世帯であれば、国の就学支援金118,800円+授業料軽減助成金337,200円にて合計456,000円を年間助成金として受け取ることができます。3年間は学校に行くことを考えれば、だいぶお得に学校へ行けるようになったことがわかるかと思います。
②実質無償化により、都立へチャレンジ!
入学しても良い、と思える私立高校を併願優遇で抑えておき、ちょっとレベルの高い高校へチャレンジする生徒が増えてきています。結局、公立高校の良さとは授業料やその他設備費などが安く、私立よりお得に高校へ通えることだけだったのかもしれません。それ以外、普通科であれば、どれも私立に軍配が上がるように思えます。
チャレンジ校として、レベルの高い公立高校へチャレンジする生徒が今後も増えることが予想されます。(2019年は昨年に比べ減ったようですが。)一方、チャレンジとまではいかない学校は私立高校との差別化を十分出していく必要があります。
③私立単願が増加傾向
早い段階で単願推薦を利用し学校決めてしまうことが増えてきたそうです。理由としては、公立も私立も学費がほとんど変わらないのであれば、早めにかつ確実に入学権利を得られる単願で進めた方が安心ということです。
特に女子が多いそうです。安定志向を望む女子が多かったからだと思います。また、女子の方が、男子より内申点をしっかり取れている生徒が多かったため、単願で合格できる学校が増え、その選択をしたのかなと思います。
いずれにせよ、自分の納得いく学校へ行く権利を、事前に確約してもらえる魅力は大きいですね。もし、可能なら単願が一番コスパがいいですね。
ちなみに、話は少しそれますが、大学付属高校も単願推薦を行っているところがあります。大変人気のようですが、もし、内申点でほぼ確約をもらえるなら、大学受験を見据えて、受けるのも良いかと思います。ただ、あくまでも学校との相性もあるので、付属だからという理由で受験するのはよく考えた方が良いかと思います。
私の他の記事にも大学付属高校の紹介がありますので、ご参考までに。
2、いまだ健在、都立の人気校
今回、無償化の影響は合ったものの、中堅以上の高校(おおよそ偏差値50以上)は依然として高倍率の学校が多くありました。特に、進学重視の学校は人気で、新宿、日比谷・戸山などは倍率が2倍近くになったところもあります。実質無償化で都立難関校をチャレンジ受験する生徒が、実質無償か前に比べて増えたというのもあるのですが、依然として人気を維持しています。
一方、影響を受けたのが、中堅下位の全日制都立高校や専門学科や総合学科。まだ将来が決まっていない生徒がとりあえず普通科に流れた結果、専門的な内容を学ぶ学科を避けたと考えられます。
中堅下位について、もともとあまり人気のなかったところは、今の実力よりちょっと上の学校にチャレンジする生徒が増えたのでしょうか。悪化。
一方、例外もありました。小岩高校です。2019年入試で不合格者が250名近くいたようです。偏差値50前後の高校に人気が出てきているようです。(今年の小岩高校は異常だと思います。当塾でも十分受かる生徒が落ちてしまいました。大変頑張っていた生徒だけに残念な思いをしたのは記憶に新しい。。)
3、今後どうなる?都立高校のゆくえ
実質無償化の影響もあるのでしょうか、全入学校が増えているようです。遠くの都立より近場で、かつきれいな施設の整っている私立を選ぶ傾向があるようです。(費用面のハードルがなくなれば、そのように考えるのは当たり前なのかもしれません。)
こうなると、都立はもっとお金をかけて施設をきれいにするか、部活で特色を出すなど、新しい取り組みをしなければ、生徒数が減る一方です。いずれ運営ができなくなっていくことでしょう。
また、今後、公立高校がそれぞれ自校をアピールすべく、新学科の新設、専門コースの開設、さらにSNSやホームページでのアピールなどをしていくと思われます。大学実績や高校卒業後の就職先なども大きなアピールポイントです。都立高校で独自に対策をすべく、いろいろ工夫していく必要が出てきます。
尚、現在でも公立高校で変えていこうとするきらいはあり、科学技術系高校や公立中高一貫校も独自色を出した、生徒確保のための取り組みの一つだと考えております。
一方、公立高校を減らす、もしくは統合させる案も出てきています。少子化で背生徒の数が減る中、競争力のない公立高校は存在意義が問われることになるでしょう。高校数を減らすのは時代に沿った考え方だと思います。ある記事では、10年後に130校もの公立高校を統廃合していくとの見通しも出ているようです。
さいごに
今まで学費の面で優遇されていた公立高校ですが、実質無償化によりその優位性が失われました。今後どのような施策を打ち、生き残るのか。公立高校一つ一つが経営者としての考えを持ち、取り組む必要が出てきたのではないでしょうか。
公立高校は予算面でのハードルがありますが、統廃合という選択肢も見据えたうえで、競争力のある公立高校を見いだせるかがカギになると思います。
受験生を送る側としては、実質無償化で選択肢は増えました。その分、選ぶ悩みも増えるのですが、生徒の将来の夢や希望を尊重して決めていければと思います。
ただ、無償化とは言え、補助できる範囲は限られており、公立高校の方が圧倒的にお得ですので、そこはお忘れなく。
それでは~!
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